バンドのこと、人生のことについて、最近色々考えていました。
まとまりのない文になるかもしれないけど、よかったら読んでいってください。
この間兄貴と久しぶりに電話をしました。彼は今年の12月にお父さんになります。僕の知っている、自分勝手で強引できついことばっか言う兄貴の姿はなく、優しい喋り方をする、大人の男性でした。
うちの父は年収1000万は余裕で超える金持ちですが、兄貴は僕の4つ上だけどそれに並ぶ勢いでガンガン稼いでいます。
そんな彼の日々の生活を聞きました。
人としての格の違いを感じました。
仕事の内容やそれがいかに激務であるか、日々の勉強や生活のハリなど、到底僕には真似できません。やはり、大金を稼ぐ人はそれに見合った努力と計画性とメンタルの強さを持っています。
何より、死んでも嫁と娘を守るんだという覚悟の違いを感じました。
兄貴は僕のことを「夢を諦めずに頑張っててすごい」と言ってくれましたが、言われて少し引っかかりました。はたして僕は夢を追いかけているのか、それとも夢に振り回されているのか。
そこで自分の夢について改めて見つめ直してみることにしたんです。
中学生のころバンドマンに憧れました。いつか自分のバンドを作ってでかいステージで歌うんだと胸に抱いて生きてきました。それから22になるまでは、「音楽の知識なんてないし、楽器もできないし、おれには音楽は敷居が高い」とやりたいことから逃げ続けて生きてきました。逃げることを悪いことだとは思いませんが、「やりたいこと」から逃げてしまうと居心地の悪いところに落ちていってしまいます。僕はそれがわかったから、バンドの世界に挑戦することを決めたんです。だから僕の一つ目の夢は
「バンドをやること」
でした。これはもう叶えています。
バンドをやるにあたって更に二つ夢ができました。そのうちの一つは
「死ぬまでバンドをやめないこと」
です。これはもう初めてのライブのときから言い続けています。もうカッコつけるのもなんなんで、正直に言いますが、これが一番きつい!笑
こんなこと言わなきゃよかった!!笑笑
でも口にしたからにはやるしかありません。そもそも、すぐに逃げ出してしまう臆病な自分を縛り付けるために、この言葉を吐いたんです。頑張ります。
まあ、でもぶっちゃけた話、ただ続けるだけならそんなに難しくはないんですよ。年に何回かライブに出て、仲間と楽しくお酒を飲むだけでも続けたことにはなりますから。勿論そういう生き方を否定するつもりは毛頭ありません。僕の周りには家庭を守りながら、歳にも負けず楽しくバンドをやっているかっこいい大人たちがたくさんいます。その生き方は尊敬しております。
ただ、僕のやりたいことはそうじゃなかったんです。
難しいのはガチでやり続けること。
これがバンドをやる上での二つ目の夢
「売れること」
です。
前置きが長くなってしまいますが、そもそも僕はバンドで「楽しいこと」がしたかったんです。兎にも角にも楽しいこと。自分たちが楽しいと思うことをやって、周りも楽しんでくれたら、尚楽しい!
だからそれを突き詰めていきたいんです。
でも、どうせやるなら、売れて有名になって大勢人を呼んだ方が楽しいだろうと思ったから、「売れること」が夢になったんです。そのためにはガチでやらなければならない。だから先ほどの「続けること」が難しいものに変わったんですね。
ただこの「売れること」の源流が「楽しむこと」であることを考えると、最近少し思うところがあります。
売れるためにはやりたくないこともしなければなりません、それは仕方のないことです。何事にもついてまわる現実です。ただそのやりたくないことが、僕の信念に背く行為ならば、これはやるべきではないことではないだろうか。
僕は社会不適合者です。とくに嘘をつけないところや、融通が効かないところ、何より天邪鬼なところがその要因です。だから、これら全てを内包していても、むしろそれがかっこいいと思えるバンドマンに憧れました。
もっと言えば「自由」に憧れたんです。
ところがどっこい、実際にバンドの世界に入ってみると、まあ嘘の多いこと多いこと。都合よく嘘をつけて、大人の言うことに従順な奴らで溢れていました。
バンドマンなんてサラリーマンと大して変わりませんよ。
不自由極まりない。
「人とうまくやっていけないからバンドやってます」みたいなこと言うやつにかぎって、打ち上げでガンガン酒飲んで、どんどん繋がりを増やしていって、媚び売り機嫌取りで上手に渡り歩いていく。
「弱者に寄り添う音楽を!」みたいなこと言ってカッコつけてるくせに、ステージを降りても強者でしかない。
本物の人見知りの僕からすれば「言ってることとやってること違うじゃねえか!」って感じです。
そんな優秀で強かで不自由な世界がバンド界でした。
みんなビジネスパートナーを作るのが上手いんですよ、誰とでも仲の良いフリができる。
でも僕はそういうの苦手だし嫌いです。
だからこそ僕は本当に好きな人たちとしか連んでいない自信があります。対バンしてから友達になった奴ら、友達とまでは言えないけれど、お互いの音楽を讃えあって、切磋琢磨していける仲間がいます。それを誇りに思っています。
でも時々裏切られてしまうんです。
僕たちに利用価値がなくなった途端離れていってしまう人たちがいるんですよ。特に友達だと思っていたやつにそれをやられるときつい。だから、大人の言うことを鵜呑みにしたり、それで自分のスタイルを変えたり、売れるために打算で人付き合いを変えたり、誰かに媚びを売ったりするのは、僕は絶対にやるべきではないことだと思いました。
ですが、やりたくないこと(やるべきではないこと)はさて置き、売れるために「どこまで突き詰めるか」はかなり大事なポイントなんです。これはもはや、人生そのもの、生き方そのものに共通する重要な部分だと思います。
ぼくの周りにも売れたい売れたい言っている人たちは腐るほどいますが、はたして何人が売れるためにできる全てのことをやっているのでしょうか?
そして、僕自身は?
そこに言及していきたいです。
僕はTHE・五右衛門がこれから先売れるために1番必要なことは
「僕の歌唱力」
だと思います。
売れているバンドはどのバンドもボーカルが頭抜けている。ピッチが合っているのなんて当たり前、表現力があって、おまけに個性まである。そんなボーカルのバンドだけが売れるんです。
お友達を多く作ったやつが売れるわけじゃありません。
さて、僕はといえば、残念ながら下手くそです。あまり好きな言葉ではありませんが、端的に言って音痴です。でも僕は心からこう思っているんです、
「歌は魂だ」
って。上手い下手じゃないんですよ。
僕は魂のこもった歌に感動して、生きようと思った人間ですから。
ただ、肝心なことはこれから話すことなんですが、「歌は魂だから」といって下手でも良いやと投げやりになって、練習もしないやつの歌に、はたして魂は宿るのでしょうか。ということです。
答えは否です。
だから僕はめちゃくちゃ練習しています。
自分の歌がこのままじゃダメだ。と感じて1番最初に考えたことは、やはりボイトレに通うことです。だから実は、生活をギリギリ切り詰めて、高いお金を払い、一時期ボイトレに通っていたことがあるんです。
ですが、ダメでした。
そもそも僕は習い事の類が吐きそうになる程苦手なんです。仕事の後に習い事だの、別のバイトだのがあるってだけで、その内容に関わらず、憂鬱になってしまいます。
さらに病的なまでに臆病で恥ずかしがり屋なので、知らない人の前で歌って、それを評価されるなんて耐えられませんでした。ライブとかは平気なんですが、かしこまった空気は苦手です。
心が落ち着いている時は大丈夫なのですが、鬱状態のときは(僕は双極性障害を持っています)練習をキャンセルしてしまい、お金を無駄にしていました。先生も困らせていました。すみません。
そこでやり方を変えようと考えました。
ボイトレに使うお金でスタジオの回数券を買い、毎日自主練しようと考えたのです。
歌い方云々の正しい間違っているはさておき、兎にも角にも僕はピッチが悪いので、音程の練習をひたすらすることにしました。
ピアノのアプリでポーンと音を鳴らし、同じ音を出す。そこから基本的な音階の練習をして合っているかどうかは手元のボーカルチューナーで確認する。そんな地道な練習をもう2年以上やっています。
↑僕の使ってるやつ。時々鞄の中でピーって鳴ってて焦る。
最近では※コールユーブンゲンにも手を出し始めました。(※音大の入試とかに出る楽譜通り歌うやつ)
さて、それでも全然上達しません。
もちろん自分で気づける範囲の小さな成長はありますが、他人に気づいて貰えるほどではない気がします。
(あ、今八王子マッチボックスの奥とかいうカスに「歌と向き合ってない」とか言われた時のこと思い出しました。上手い下手ならともかく、歌と向き合ってないとか、お前になにがわかるんだよ。殺すぞ。あいつはいつか絶対殺す。)
なので、まだ他にできることがあるかもしれないと最近では思うようになりました。今は過去最高に困窮しているので、あまりお金はかけられませんが、お金が貯まったらまたボイトレに挑戦してみようかとも考えています。続く自信はありませんが。
まあ、とにかく現状できることはしているんですよ。
急に漫画の話になってしまいますが、アイシールド21というアメフト漫画にヒル魔というキャラが出てきます。彼は非常に頭が良く、狡猾ですが、アメフトに対しては誰よりも愛が深く熱血漢でもあります。そんな彼のセリフに大好きなものがあるんです。
「ないもんねだりしてるほどヒマじゃねえ。あるもんで最強の闘い方探ってくんだよ、一生な」
超、良いセリフですよね!
僕もこういう生き方をするしかないと思っています。
正直僕がどれだけ努力を重ねても、今売れているプロのボーカルほど上手くなることはできないように思います。幼い頃から音楽に触れていて、音大なんかを出てる人に敵うとは到底思えません。
これは悲観的に言っているわけではなく、事実そうだと思っているんです。でも、だからといって諦める理由にはならない。
売れることは限りなく不可能に近いかもしれないけれど、ゼロではないはずです。
だからロックへの精神性やパフォーマンス、バンドの色など、僕たちの強みを活かしてこれからも活動していきます。
仕事も辞め、ただの清掃員のフリーターになり、恋人にも愛想をつかれ、まともに社会でやっていける自信もない僕には、もうこれしかないんです。
できるできないではなくやるんです。
少し話は戻りますが、ヒル魔は自分の身体能力が低いことを理解しています。その代わりに高い頭脳を活かした作戦を練り、一芸に特化した仲間たちを集め、勝利してきたキャラなんです。
ですが、そんなヒル魔の好きなところは、
ないものねだりしない=弱い部分を鍛えない「ではない」ところなんです。
弱い部分も最大限鍛えるんですよ。強みを活かすことより優先順位が低いというだけで。
彼が1年トレーニングを続け、0.1秒だけ足が速くなり、勝利するシーンがあるんです。1年でたった0.1秒ですが、その差で勝利する姿に僕は感動しました。
僕にとって歌はまさにそれです。
さっき述べた通り、僕がどれだけ鍛えても、プロのようにはなれないと思う。2年練習を続けても目に見えた成果は出ない。それでも5年10年やっていれば、0.1ミリは上手くなるはず。もしかしたらその0.1ミリで今より多くの人が僕の歌で感動してくれるかもしれない。それなら努力する価値は十二分にある。
僕はそんな気持ちで日々練習しているんです。
(文章にしちゃってごめんなさい…!歌だけで伝えられない僕の技術不足をお許しください。少しでも歌への情熱をわかって欲しくて、こういう文を書きました。
パフォーマンスだってそうなんです。
僕が誰より大きい声で叫ぶのは、自分の中の恐怖や葛藤を吹き飛ばすため。そして、高まった喜びや興奮を表現するため。
僕が身体を最大限動かして歌うのは、歌に乗せきれなかった想いを吐き出すため。お客さんに伝えたい気持ちが溢れ出すからなんです。
奇を衒っているわけではありません。)
ずらずらと長文を書いてきましたが、つまるところ売れるために僕にできることは、
できる努力を最大限する
ってことです。
界隈がどうのこうの、売り方がどうのこうのは真理にでも任せようかな笑
僕はやりたいこと、思いついたことを形にするだけです。
そして、こうなってくると当然メンバーにも努力して貰わなきゃなりません。
僕は「努力」と言う言葉を他人に使うのはめちゃくちゃ嫌いなので、ほんとはこんなこと言いたくもないのですが、やはり、同じ目線に立って、同じ目標を志すなら、最低でも僕と同レベルの努力をして貰わないと困ります。
売れるためには僕の歌唱力が必要とは言いましたが、バンドなので、全員の技術も当たり前だけど必要です。
こんなこと記事にするべきではないかもしれませんが、ぶっちゃけ音源も気に入らないところだらけなんですよ。
だからみんなで頑張ろうよ。
この記事はURLをメンバーに送りつけて読ませます。
とにかく人生賭けてやってることだから、1ミリでも伝わってほしい。
協力してくれみんな。
さて、この記事を書くにあたって、冒頭で兄や父のことに触れましたが、僕は彼らのようにお金持ちになりたいわけではないんです。
スポーツや仕事のように数値化できるもので勝敗が決まる世界とは違い、人生においての勝利条件は「幸せになること」だと思っているので、結果よりも過程の方が大事なんです。僕にとってはね。
「頑張れている」という後ろめたさのなさが心の平穏につながるんですよ。
だからこれからも、偉くなるためではなく心の平穏を保つために努力をしていこうと思います。
最近は夜が怖くなってしまいました。
これから僕はどうなるのだろう…
このまま独りで死んでいくのだろうか…
そんなことを考えると憂鬱になります。
だからその答えをロックの中に見出したい。
あわよくば、ロックで救われたい。
どこまで行っても僕はバンドマンだから。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
他にも面白い記事があるので良かったら見ていってください!
おやすみ!!